No.20 府中宿

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駿府と府中宿を歩いてみた|徳川家康が愛した城下町と宿場の面影をたどる

こんにちは!今回は静岡市葵区にある「府中宿(ふちゅうじゅく)」を歩いてきたので、そのときの様子を写真と一緒にご紹介します。

東海道五十三次のちょうど真ん中あたり、20番目の宿場にあたる「府中宿」は、単なる宿場町ではなく、あの徳川家康が晩年を過ごした「駿府城」の城下町としても知られている場所なんです。

城と宿場、そして歴史の舞台が交差するこの町。歩いてみると、案外あちこちに「おっ、ここにそんな歴史が?」という発見があるんですよ。今回は、そんな「府中宿」の魅力をゆったりとお届けします。

駿府城ってどんなお城?

まずはこの町の中心とも言える「駿府城(すんぷじょう)」について少し触れておきたいと思います。

駿府城は、徳川家康が大御所として晩年を過ごした場所。もともとは今川義元の時代に「今川館」として機能していたところに、家康が大きなお城を築いたんです。

関ヶ原の戦いのあと、将軍職を息子の秀忠に譲った家康は、ここ駿府で“裏ボス”的な存在として政治の実権を握っていました。この時期を「大御所政治」なんて呼んだりしますね。

現在は「駿府城公園」として整備されていて、天守こそ残っていませんが、立派な東御門(ひがしごもん)や坤櫓(ひつじさるやぐら)が復元されていて見ごたえあり。お堀や石垣も美しく整備されているので、歴史好きでなくてもお散歩スポットとしておすすめです。

坤櫓(ひつじさるやぐら)

東御門(ひがしごもん)

駿府城本丸跡に建つ徳川家康像

宿場町・府中宿ってどんなとこ?

さて、そんな駿府城の城下町として栄えたのが、ここ「府中宿」。

東海道を旅した人々にとって、ここはちょうど良い休憩ポイントで、上伝馬町・中伝馬町・下伝馬町の3つのエリアにわかれ、それぞれに本陣・脇本陣が置かれていました。

ちなみに「本陣(ほんじん)」とは、大名や幕府の役人など、身分の高い人が泊まるための宿のこと。今で言えば超高級VIP専用ホテルって感じですね。

「脇本陣(わきほんじん)」はその予備で、本陣がいっぱいのときなどに使われました。江戸時代の宿泊施設にも階級制度があったというわけです。
現在では建物こそ残っていませんが、案内板や石碑などでその痕跡をたどることができます。

上伝馬本陣跡・脇本陣跡

下伝馬本陣跡・脇本陣跡

府中宿の見どころ

府中宿の見所は何と言っても駿府城公園になるのですが、他にも周辺にいくつかポイントがあるのでご紹介します〜

華陽院(けよういん)

ここは、今川家の人質となっていた竹千代(徳川家康公)の養育をつとめた、祖母・源応尼(げんのうに)の菩提寺。境内には源応尼の墓と並んで、家康公の五女・市姫(いちひめ)の墓もあります。
境内はコンパクトですが、整えられた庭と落ち着いた雰囲気が印象的でした。家康と縁のある人物が祀られているということで、ちょっと特別な空気感があります。

祖母・源応尼(げんのうに)の墓

五女・市姫(いちひめ)の墓

府中宿伝馬町 案内板

中伝馬町エリアには、当時の宿場の仕組みや街道の様子を説明した案内板が立っています。

これがまた分かりやすくて、イラストや図解もあるので、旅の導入にピッタリ。初めて府中宿を歩く人は、まずここを読んでおくとその後の散策がぐっと楽しくなりますよ。

西郷隆盛・山岡鉄舟会見碑

続いて「西郷隆盛・山岡鉄舟 会見碑」。

ここは、幕末に江戸城無血開城のための話し合いが行われた場所とされています。西郷隆盛(薩摩)と山岡鉄舟(幕府側)の交渉が、この地で行われたというのは、歴史好きにはたまらないエピソードですね。

1868年3月9日に山岡は勝海舟の手紙を携えて駿府を訪れて、まさにこの地で西郷と会見します。ここでの会見を経て3月13,14日に西郷隆盛・勝海舟の会見が行われ、「江戸城無血開城」につながるのです。

↓↓↓西郷隆盛・勝海舟の会見碑も過去に見てきています〜

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歴史が日常のすぐそばにある町

今回歩いた府中宿は、単なる「昔の宿場町」ではなく、徳川家康の駿府城や、幕末の重要な交渉、そして最後の将軍・徳川慶喜まで、実は日本史の中でもかなり濃いエピソードが詰まった場所でした。

町中には石碑や案内板が点在していて、ちょっとした散歩が歴史散策に早変わり。静岡市の中心にあってアクセスも良いので、ちょっとした休日のおでかけ先としてもおすすめです。

歴史にそこまで詳しくなくても、実際に歩いて、見て、写真を撮るだけでも楽しい。昔の人たちが歩いた東海道、その面影を感じながら、あなたも一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。


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この記事を書いた人

藤枝市地域おこし協力隊、俳優。東京で20年以上の俳優活動を経て、2023年に藤枝市に移住。現在も劇団ユニークポイントで俳優として活動。藤枝市の観光・歴史、文化芸術などの情報を発信しています。

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