みなさん、突然ですが「田沼意次(たぬまおきつぐ)」って聞いたことありますか?
江戸時代の歴史に少しでも興味がある方なら、名前はどこかで耳にしたことがあるかもしれません。
「田沼の賄賂政治」なんて、ちょっと悪いイメージで覚えている方もいるかもしれませんね。でも実は、田沼意次という人物、かなり先進的な政治を行った“改革者”でもあるんです。
最近では、NHKの大河ドラマ『べらぼう』(2025年)でも田沼意次が重要な人物として登場し、改めて注目を集めています。
これまで“悪役”のイメージが強かった田沼意次ですが、ドラマを通じて、政治家としての実像に触れることで「意外とすごい人だったんだ」と感じた方も多いのではないでしょうか?
そんな田沼意次、実は今の藤枝市にも深い関わりがあるんですよ。
今回は、田沼意次と、彼の名が付いた「田沼街道」、そして彼の居城・相良城をめぐるスポットをご紹介しながら、ちょっとラフに歴史をたどっていきましょう!
田沼意次ってどんな人?
田沼意次は1719年(享保4年)、遠江国(今の静岡県牧之原市相良)に生まれました。
若い頃から徳川家に仕え、8代将軍・徳川吉宗の孫にあたる徳川家治に信頼され、出世街道をぐんぐん進みます。そしてついには、江戸幕府の中枢・老中にまで上りつめ、政治の実権を握る存在となりました。
当時の江戸幕府は財政難。年貢(お米)だけに頼るやり方は限界を迎えていました。そこで意次が目をつけたのが、商業や流通を活かした経済政策です。
銅や朝鮮人参、海産物などを専売化して財政を立て直そうとしたり、運河の整備や新田開発を進めたりと、当時としてはかなり先進的な改革を行ったんですね
田沼街道を歩いてみよう
そんな田沼意次の名が残るのが「田沼街道」。
江戸時代に、東海道藤枝宿から南へ分岐し、相良(牧之原市)へと通じていた脇街道です。今の藤枝市役所あたりから南に伸びていくイメージですね。
この街道は、意次が相良藩主となって相良城を整備した際、江戸との連絡や物資の輸送などに使われました。東海道の藤枝宿と直結することで、政治・経済の中心と相良をつなぐ大動脈になったんです。
今でも一部区間には当時の面影が残っていて、街道歩きを楽しむ人も増えてきています。

相良城跡近辺
相良城跡と田沼意次像
田沼意次の居城だった相良城は、現在は牧之原市役所 相良庁舎が建っています。
築城は江戸時代中期。意次が藩主となってから本格的に整備されました。
城といっても、戦国時代のような高い石垣や天守閣があるタイプではなく、政治・経済の拠点としての城郭都市といった雰囲気です。
城跡には田沼意次像も建てられていて、堂々とした姿が印象的。ありますねぇ〜〜「べらぼう」笑
意次の像を見ていると、歴史の教科書に出てきた人物が一気に身近に感じられるから不思議です。


史料館・相良城二の丸のマツ
城跡の近くには史料館もあり、田沼意次や相良藩に関する資料が展示されています。
藩の行政文書や生活の様子、経済政策の資料など、じっくり見ていくと「田沼時代」のリアルな姿が見えてくるみたいです。
なぜ、「見えてくるみたい」と言うのかというと・・・閉まってました💦
ちゃんと調べて行けよ!!って思った方、その通り❗️本当になにやってんだ、俺は?笑

いつかまた訪れます。
そして、史料館のすぐ近くには「相良城二の丸のマツ」と呼ばれる立派な松の木があります。
この松は当時からこの地に根を張ってきたとされるもので、まさに“生き証人”のような存在。田沼意次もこの松を見上げたかもしれませんね。ロマン〜


大澤寺(だいたくじ)
相良城跡のすぐ近くにある大澤寺は、田沼家ゆかりの寺として知られています。
境内は静かで落ち着いた雰囲気に包まれていて、観光というよりは地域の人たちに大切に守られてきた場所といった印象。
山門や本堂などには、歴史を感じさせる佇まいが残っており、田沼時代の面影を感じられます。




浄心寺(じょうしんじ)
少し離れた場所にある浄心寺も、田沼家と関わりの深い寺院です。
田沼意次の菩提寺のひとつとして知られ、意次の事績を伝える史料も残っています。
境内はコンパクトながら趣があり、ゆっくりと歩きながら往時の歴史に思いを馳せるのにぴったりの場所です。


藤枝市との関わり
田沼意次が築いた相良と江戸を結ぶルート。その起点となったのが藤枝宿です。
藤枝宿は東海道の宿場町として栄え、田沼街道との接点でもありました。
今でも藤枝市内には宿場町の面影を残す通りや史跡が多く、街歩きと合わせて田沼街道をたどるのもおすすめです。

田沼街道起点道標

田沼街道起点道標そばの橋
ドラマ「べらぼう」で注目、現地で実感!
NHK大河ドラマ『べらぼう』の影響で、今、田沼意次への関心が高まっています。ドラマで描かれる政治の舞台裏や人間関係を見たあとに、実際に相良や藤枝を訪ねると、まるで“物語の中に入った”ような感覚になります。
・・・ちょっと言い過ぎかも笑。でも今回訪れた場所には「べらぼう」のポスターやらのぼりやら多数見かけましたよ〜
意次が歩いた田沼街道を自分の足でたどってみると、歴史がぐっと近く感じられますよ。
おわりに
教科書の中では「賄賂政治」と批判されがちな田沼意次ですが、今の視点で見ると、商業や交通網を重視した改革は非常に先進的なものでした。
彼の故郷・相良や藤枝周辺を巡ると、ドラマだけでは伝わらない“生きた歴史”が感じられます。
藤枝市からもアクセスしやすい田沼街道。NHKドラマをきっかけに、歴史とまち歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか?