江戸時代の大名宿がルーツの「八百屋 本陣」

正当な格式ある店名ながら、地元の方に親しまれる昔ながらの「八百屋 本陣」。静岡のお野菜や果物を中心に、新鮮な旬のものが並んでいます。愛らしい女将さんがお買い物の相談に乗ってくれます。

目次

気になる「本陣」の由来

八百屋さんとしては珍しい店名、というのが最初の印象です。

本陣(ほんじん)は、 江戸時代以降の宿場で、身分が高い者が泊まった建物。大名旗本幕府役人、勅使宮門跡らが利用した。「大旅籠屋」(おおはたごや)とも[1]。原則として一般の者を泊めることは許されておらず、営業的な意味での「宿屋の一種」とはいえない。宿役人の問屋や村役人の名主などの居宅が指定されることが多かった。

Wikipediaより引用

元々は、東海道藤枝宿の下伝馬の本陣(上記参照)をされていたお家だったそうです。江戸時代が終わり、本陣の役割にも変化が訪れていた頃、本陣を含む一帯が焼ける大火があり、当時の本陣は無くなってしまいました。

それから、紆余曲折の大変な時期があったと思われますが、昭和初期、その当時の初代女将さんがリヤカーを引いて野菜を売り始めたのがきっかけとなり、その後に現在の地にお店を構えて「八百屋 本陣」へと繋がっていったそうです。

旧店舗は老朽化の為に建て替えられ、現在は、天井が高くて入り口も開放された、とても爽やかなお店になっています。

現在の女将さんは、宿場本陣時代から数えると13代目、八百屋さんとしては4代目とのことです。

現在の店内の様子

春夏秋冬旬の恵みを

看板にも刻まれている通り、静岡県を中心にお野菜も果物も新鮮な旬のものが多く並べられていて、その季節に自然にできるものを提供したいという想いを持たれています。

季節の恵みをいただく楽しみだけでなく、旬のものは沢山収穫される為、その分だけ価格を抑えてお店に並べられることもメリットと考えられているそうです。お客様のことをよく考えられているんですね。

女将さんはお店の営業をされていますが、ご主人は市場でのお仕事をされていて、早朝の仕入れは娘婿さんが主に担当されているそうです。

今回、訪れた際は、採れたての筍が沢山並んでいました。下処理のことを悩んでいたら、お店でアク抜きしたものを置いていると案内してくれました。こちらでは、重曹ではなく、灰でアク抜きをされているんだとか。

パック詰されて十分に日持ちもするとのことでしたので、実家の母にお土産に買って帰ったところ、とても喜ばれました。

他にもお店でつけたぬか漬けなどの販売もされていて、どれも美味しそうでした。

受け継がれるおもてなし精神

左上の写真は、女将さんから提供していただいたものです。その当時、野菜や果物の被り物をパートさんが作ってくれて、お客さんと被って写真を撮ったりしながら、楽しんでいたそうです。お客さんに楽しんでもらいたい、交流をしたいと考えられたものだったそうです。

宿場本陣であった頃、大名や幕府の要人がお客様だったことを考えると、今で言う五つ星ホテル並みのおもてなし精神があったのではと想像されます(無礼があったら斬られそうですし…)。

今、業態は八百屋となり、お客様は地域にお住いの方々へと代わり、そのお客様との交流の中におもてなし精神が受け継がれているようでした。

また、お客様に気さくに対応される合間に、私にも幾度も丁寧にお話してくださり助かりました。

家業を継ぐことが当たり前ではなくなった現在ですが、これまで代々受け継がれてきています。女将さんの側では、娘婿さんがお仕事をされており、頼もしい限りです。

日々のお買い物に安心と楽しみが加わる、そんな八百屋 本陣さん。地元のお野菜、果物をお土産に買われる際にもオススメです。

店舗情報

店名:八百屋 本陣

営業時間:9:30〜18:00

定休日:水曜・日曜・祝日

電話054-641-0693

住所:静岡県藤枝市志太3丁目2−22

駐車場:店舗横5台、通り向かい11台

公式HP:八百屋 本陣(外部リンク)

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この記事を書いた人

藤枝市地域おこし協力隊、鍼灸マッサージ師。海外訪問歴50ヵ国の旅好き。心と身体、社会の健康と幸せを実現すべく、東京から藤枝に移住し活動中。
商店街を中心に藤枝で日々出会う魅力を発信しています。

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