スパイスカレー、本格的カレー、オリジナルカレー、どれも当てはまりそうですが、先入観に惑わされず純粋に「カレー」を味わいたいときに訪れたい「カレー屋」さんです。
ロストコーナーのカレー

メニューに常時ある定番カレーは3種類(以下、店内メニューより転載)。
ロストコーナー定番3種 各1,500円(副菜付き)
☆ポークビンダルー 中辛~辛口位?
豚バラ肉をニンニクと赤唐辛子・赤ワインビネガーに 2日間漬け込んでスパイスで煮込んだ料理。
サラサラした仕上がりで若干の酸味が特徴です。
冷凍の辛口ビンダルーはこれより辛くよりシャープな仕上がりです。
ほぼ月替わりマトンカレー
☆マトンドライウェットキーマ 中辛~辛口位??
マトンと香味野菜をスパイスで炒め煮した無水料理。全部肉に見えますが半分は野菜。
クローヴとブラックペッパーをホールの状態で使用しているので刺激があります。
汁気はないですがウェット。
☆豚バラと玉葱のカレー 甘口位??
家庭的日本式なカレーに近いですがシンプルに豚バラと玉葱の旨味と甘みで押し切ります。
辛くないので辛いのが苦手な方やお子様でも大丈夫かと思われます??
お子様カレー(飯 80g)300円
※各カレーにはホールスパイス(スパイスの原型などが入っていることがあります)
(2026年5月現在)
ほぼ月替わりマトンカレーは、店主の好きなマトンを使ったカレー、約1ヶ月毎にメニューが入れ替わります。
こちらのマトンは、臭みを抑えられながらもお肉の独特の風味を確かに味わうことができます。
定番メニューの他に限定カレーがあります。他ではあまり食べることができない食材が使用されることもあり、以前、当時はほとんど見られなかったいちじくとマトンを組み合わせたカレーを作られたこともありました。
その工夫は、奇抜な思いつきではなく、「それぞれの素材が生かされる組み合わせ」により生まれるそうです。

上の写真は、ポークピンダルーとマトンドライウェットキーマの2種盛り。
2種盛(アイガケ)は、プラス料金でオーダーできます。
盛り付けが丁寧にされていて食欲をそそります。
もちろん見た目だけでなく、口に運べば手間をかけて丁寧に調理されていることが感じられます。
また、スプーンがほんの少し珍しい形をしていて食べやすく、ちょっとした心遣いが嬉しいところです。
カレースタンド的な営業スタイルをされているので、食事を楽しんだ後は、すみやかに席を立つのが良さそうです。
待っている間が楽しい店内

ご覧の通り、ユニークな店内。


個々にアートなものや童心に帰るようなもの、可愛らしかったり繊細だったりと色々なものがあるなかで、それらがバランスと取りながら全体を彩っているところが素敵です。
ランチと夜営業では雰囲気が異なりますので、そのあたりの違いを体感してみるのも面白いです。
中のひと

取材に答えてくださったのは、肩の力が抜けたこちらの稲森さん。
ご家族3人でお店を営まれており、お兄さんである稲森さんはカレーの作り手、お母さんがキッチンの補助、そして弟さんが接客を担当されてます。
カレー作りのきっかけは、家でご飯当番をしていた際に色々な国の料理を作るのが楽しくなり、その中にインド料理もあったことが始まり。
「本やインターネットで調べたりして作ってみると自分の想像してたものと全然違ったり、すごい種類があったりでこれは面白いやと」。
それ以前に、海外を旅してローカルフードを食べ歩いた経験のある「舌べら」があったことも一役買っているようです。
2016年ごろからスポットで出店をするようになり、2017年に静岡市清水で最初の店舗を構えられます。
飲食店の厳しさを知っていたので、積極的ではなかったものの条件の良い賃貸物件に巡り合ったため、決められたそうです。
当初は、カレー作りも経営もご自身で試行錯誤しながらだったそうですが、それが徐々に実ってお客さんに通ってもらえるようになっていきました。
「毎週来るような人が何年も通ってくれたりする。特に話したりするわけでもないんですけど、親戚みたいな何とも言えない良いものがあるんですよね。そのためだけではないですけど、そうして通ってくれる人たちの信頼であったり行きたいなと思ったときに、それがそこにあるっていうような状態を維持していきたいなとは思いますね」。
カレー作りを長く続けるためやご自身や家族のことなど先を見据えていたところで店舗兼住居となる良い物件に巡り合い、2023年に清水から藤枝に移転されました。
小学校から20歳頃までは隣の岡部町(現・藤枝市岡部町)で育ったことも決め手の一つだったそうです。
清水での積み重ねはあったものの、移転先でまた認知されるのにも広まるにも時間がかかります。
美味しいと思うものを当然手間をかけて作る。お客さんの好みはどうしてもあるのだけど、ミスマッチでお互い悲しい思いをしてしまうのは避けたい。
「だから外にあんまりアピールをしてないですよね」。
ジレンマを抱えながらも、ご自身のスタイルは変えられない。
それでも、そのスタイルやそこから生まれるカレーを好んでくれる人、興味を持ってきてくれる方を待たれています。
その準備に手を抜かず、でも肩肘張らずにされている、そんな稲森さんとご家族。
根本を大事にされながら、カレーはこういうもの、という概念を広げてくれるお店でもありそうです。
テイクアウト・通販にも対応


店舗でのテイクアウトができますし、遠方の方には嬉しい冷凍カレーの通販(お取り寄せ)ができます。
公式Instagram(店舗情報参照)のDMからお問合せ、お申込みができます。


店名:カレー屋ロストコーナー
営業時間:11:00〜15:00(L.O. 14:30)
夜営業は、金曜、土曜 18:00~20:30(L.O. 20:00)
定休日:月曜、木曜
*イベント出店や仕込みの為、臨時休業あります。公式 Instagramよりご確認ください。
住所:静岡県藤枝市小石川町4-10-1
駐車場:店舗隣2台、店舗裏砂利ロープ手前6台


座席:カウンター6席、2人がけ2席(席の予約は出来ません)
公式 Instagram:カレー屋ロストコーナー
あとがき
今回、こちらの拙い取材に対し、長時間丁寧にそして正直に答えていただいきました。
聞き手(書き手)として、読んでもらいやすいコラムを書こうと、わかりやすいワードや見栄えの良い言葉にまとめたり、都合の良いラベリングをしたりしてしまいがちです。
でも、お話を伺いながらそういうことではないと気づかせていただきました。
それをここで詳しく文字にしてしまうとなんだかうまく伝わらない感じがします。
一つ言えることは、お店の記事や評価から期待やイメージが膨らんでも、一旦それらを脇に置いて、お店に入ったら自分の肌感覚を大事にして、目の前の食事を味わうことをしたいと思うようになったことです。
本来はどちらのお店でもそうなのですが、特にそう思わせてくれたお店であり稲森さんでした。


